2.車内快適性シミュレータ

 車内の快適性に影響する要因は、振動、騒音、温度、照明、車窓風景などと様々ですが、従来は各要因の影響を個別に検討するのが一般的で、複数要因の相互影響や、総合的な快適度の評価手法の検討はあまり進んでいません。そこで、快適性の評価手法に関する実験検討を効率的に行うための「車内快適性シミュレータ」を開発しました(図1)。
 本シミュレータは、振動加速度については通常客室内で生じる加速度の8倍程度、加減速および遠心加速度については2倍程度まで任意に再現できるほか、客室窓の外側に設置されたプロジェクタで車窓風景をリアルタイム表示することができます。また、車両諸元、線路の線形、ランカーブなどの実験条件として、実在の車両や線区および任意に作成した仮想車両や仮想線区を再現することができます。さらに、本シミュレータでは、同一の刺激条件を繰り返し再現したり、複数の刺激条件を独立に制御することが可能であり、被験者の心拍、呼吸などの心理・生理指標を同期して計測することができます。
 今後は「騒音・振動の複合環境の快適性評価」、「歩行安全性からみた車両振動評価」、「瞬時振動や車体ロール運動の乗り心地評価」等の快適性の向上に役立つ様々な研究開発に活用していきます。
 なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。


(a)シミュレータの外観

(b)模擬客室内部

(c)車窓風景の表示

図1 車内快適性シミュレータ



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