9.PCB含有機器の解体法とPCB汚染土壌処理法

 PCBを使用した車両用主変圧器の解体や土壌・バラストの処理は、環境事業団が計画中のPCB処理施設でも課題として残されていました。本研究では、車両用主変圧器の解体法や土壌・バラストの処理法を提案し、低コストで行えることを実証しました。
 実際の車両用主変圧器を用いて、外板の切断、内部の解体等の方法を検討しました(図1)。その結果、主変圧器を傾斜させるとともに、傾斜方向を変化させて絶縁油を効率的に排出口に集めることで、約95%の絶縁油を抜き取ることができることを確認しました。また、外板の切断にはフライス盤を用い、安全かつ短時間で切断できることを実証しました。これらの結果をもとに解体マニュアルを作成し、環境事業団に対して、車両用主変圧器の解体法を提案しました。
 また、PCB汚染土壌に関しては、土壌中のPCBをイソプロピルアルコール(IPA)で抽出し、抽出液に紫外線を照射して無害化する方法を試行しました。その結果、抽出液に含まれるPCBが0.021mg/kgまで分解され、排出判定基準である0.5mg/kgを下回ることが実証されました。本処理法では、生物処理を行う従来の処理方法より装置を小型化することが可能となり、他の化学処理法と比較しても簡易かつ安価な装置で土壌の無害化処理が可能となります(図2)。


図1 車両用主変圧器の解体フロー

図2 処理システムの概要



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