2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では、上越新幹線が脱線し、高架橋柱、橋脚、トンネル、斜面、築堤等が被害を受けました。
鉄道総研では、地震発生当夜から速やかに専門家を現地に派遣し、構造物、軌道および車両の調査支援を行いました。
新幹線については、被災した構造物の早期復旧のため、健全度の評価や復旧工法の提案等様々な技術支援を行いました。トンネルでは、覆工コンクリート内面の内巻き補強、ロックボルト等を主体にした補修・補強方法の考え方を提案しました。
軌道関係では、軌道スラブやレール締結装置などの損傷状況の調査に参加し、復旧方法に関する技術支援を行いました。
在来線については、橋梁、トンネル、築堤および斜面などの構造物の被災状態の調査ならびに復旧支援を行いました(図1)。大規模な築堤崩壊箇所に対して、鉄道総研が開発した補強土(RRR)工法(図2)による復旧を提案し、一部採用されました。また、トンネル入り口斜面で発生した大規模な崩壊に対しては、斜面上の不安定土塊の除去、下り線の坑口部のトンネル延伸、落石覆工と落石検知線の設置などの応急対策工を提案しました。
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