11. 新しい運転適性検査項目群
・現在の作業・環境において求められる係員のエラー防止能力を明らかにしました。
・エラー模擬実験を用いて、職種・設備条件別に検査項目の候補を選びました。

 運転に直接関係する作業を行う係員に対しては運転適性検査が行われています。その検査項目や判定方式等の基本的な枠組みは検査制度が導入された約50年前と変わっていません。その間、列車の高速化、ダイヤの高密度化、作業の自動化、保安設備の機能向上、業務の形態等に大きな変化がありました。これらにより係員に求められる能力とそのレベルが異なってきたと考えられます。
 そこで、現行の運転適性検査体系をより現実的なものに見直す作業に取り組みました。運転取扱作業において列車衝突・脱線事故に繋がるエラーを職種・設備条件別に整理し、係員に求められる能力を明らかにしました。次に、一般の被験者を用いて、エラーを起しやすい傾向を運転シミュレータおよびパソコン実験を活用して把握し、検査項目との対応関係を明らかにしました(表1)。検討した検査は、現行検査、他社検査、エラー防止能力に対応した新開発検査の計20項目でした。明らかになった対応関係に基づき、C-107検査(処置判断)、多重選択反応検査A、注意容量検査を、新しい運転適性検査の有力な候補に選びました。
 今後は、鉄道会社において候補とする検査を試行し、事故との対応関係を分析した上で、実用化を目指します。実用化によって、検査業務の簡素化、安全性の向上が期待できます。




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