3. 軟弱路盤上既設線省力化軌道の変状防止工法
・路盤軟弱箇所の既設線省力化軌道の変状メカニズムを明らかにしました。
・低コストな路盤軟弱箇所の変状防止工法を開発しました。

 既設線省力化軌道は、軌道保守コストの低減に効果的な技術として普及が図られていますが、路盤軟弱箇所(主に滞水した粘性土路盤)では路盤土が流出するなどの変状が発生し、期待した保守低減効果が得られない場合があります。軌道保守コストのさらなる低減を目指すには、路盤変状の問題を解決し、既設線省力化軌道を路盤軟弱箇所にも適用できるようにしていくことが望まれています。
 そこで、様々な土質や境界条件を想定した要素実験と実物大模型実験によって滞水した粘性土路盤上の既設線省力化軌道の変状について検討した結果、@てん充層と路盤との間に発生する水圧変動によって路盤面が軟弱化する、A軟弱化した路盤土が水圧によっててん充層の外部に押し出され(図1)路盤面に水みちが発生する、B水みちが路盤内部に広がって路盤面全体の軟弱化が進行する、といった路盤変状メカニズムを明らかにしました。
 これらの結果をもとに、大がかりな路盤改良を行わずに粘性土路盤の変状を防止する方法として、「路盤面に透水層を敷設する表面水圧分散工法」、「ベントナイト層によって路盤表面の強度低下を防止する路盤表面保護工法を開発」し、改善効果を実物大模型試験にて確認しました(図2、図3)。これらの工法は、前記のように路盤変状の発生を抑え、軌道の沈下を防止する効果があることを確認しました。






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