6. 電気機関車用パンタグラフすり板
・耐アーク性に優れトロリ線摩耗の少ない銅系焼結合金すり板を開発しました。
・直流電気機関車に搭載し、現用品よりも摩耗率が低いことを確認しました。

 新形式直流電気機関車では、使用パンタグラフ数の減少により1パンタグラフの集電電流が増加し、すり板への電気的負荷が増大しています。このため電気機関車用として従来使われていた焼結合金製すり板材(高速用すり板)では摩耗が激しく、検修上の負担が大きくなる問題が生じています。また近年在来線では、カーボン系すり板が普及しトロリ線の摩耗が少ない状態が維持されており、電気機関車で使用するすり板についてもトロリ線の摩耗への影響を可能な限り低減することが望まれています。
 そこで、焼結合金すり板材に含まれる各種成分の材質や分散形態を改良した新たなすり板(図1)を開発し、定置試験により耐摩耗性およびトロリ線摩耗への影響の低減を確認(図2)した上で直流電気機関車において長期耐久試験を実施し、実用性能を評価しました。その結果、鉄道総研等が近年開発し営業使用されている「高潤滑型すり板」の固形潤滑成分を黒鉛から硫化物に変更した開発材が高速用すり板を上回る耐摩耗性を有することがわかりました(図3)。この材質を適用することですり板・トロリ線双方の長寿命化が実現すると考えられ、電気機関車での営業使用が検討されています。




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