高速領域における架線・パンタグラフ間の接触力変動を大幅に低減するための手法の一つとして、パンタグラフ接触力を能動的に制御する方法があります。制御デバイスとして空気シリンダを用いた方法がすでに提案されていますが、複雑な機構を必要とするという問題がありました。
そこで、舟体前縁部から取り込んだ空気を舟体後縁部から吹き出すことによって必要な制御力を得る方法を提案しました(図1)。この方法は、吹き出す空気の流量を変化させることにより舟体の揚力特性を変化させ、必要な制御力を発生させるものです。吹き出しに必要な空気は舟体前縁部から自律的に吸い込むため圧縮空気の供給は不要であり、簡単な構造で制御力を得ることが可能です。
数値シミュレーション(図2)および風洞試験(図3)により、300km/hでは静押上力を上回る制御力(約100N)を得ることが可能であることを確認しました。
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