3. 車両用25kV超電導主変圧器
・ビスマス系超電導コイルを用いた25kV用車両用超電導主変圧器を試作しました。
・超電導状態で最大3.5MVA相当の容量があることを確認しました。

 車両用25kV超電導主変圧器を試作しました(図1)。主変圧器の各巻線にはビスマス系超電導テープ線材を使用し、巻線を液体窒素に浸す構造としています。巻線電圧は新幹線への適用を想定して一次電圧25kV、二次電圧1200V×4巻線、三次電圧440Vとしました(表1)。交流損失を小さくする巻線がソレノイドコイルである内鉄形を採用しました。冷凍機の負荷を減らすため、鉄心は常温空間に配置しました。
 本体部分の概略の大きさは幅1.2m、奥行き0.7m、高さ1.9m(圧縮機を除く)です。今回は開発の第一段階として、床上設置を前提として試作しました。質量は目標2.1t に対し2.3t(冷凍機と圧縮機の合計0. 6tは想定)です。
 JISに則った鉄道車両用主変圧器の形式試験を行った結果、超電導状態での最大容量は3.5MVA相当であることを確認しました。二次巻線に750A通電することができ、これは全体容量では4MVAに相当します。また、JISで定められた42kV10分間の交流耐電圧試験、150kVの雷インパルス試験でも異状は認められず、電気絶縁上問題ないことが確認できました。交流損失は試験結果から4MVAにて7.9kWと見込まれ、交流損失の低減や軽量大容量冷凍システムの開発を課題とし、引き続き研究開発を行います。
 なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。




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