2.列車衝突時の座席周りの安全性評価

・衝突時の座席乗客の挙動をダミー人形実験と人体モデルによるシミュレーション解析により確認しました。
・座席周りの車内設備の衝突安全対策例を提案しました。

 列車衝突事故時の被害軽減を目的とし、通勤・近郊列車の座席周りの安全性について人間工学的検討を行いました。
 速度30km/h以下での列車衝突事故を想定し、座席の乗客としてFEM人体モデルを使ったシミュレーション解析を実施し(図1)、座席周りの設備に対する提案をしました。ロングシートの袖仕切りは板型の方がパイプ型よりも胸部変位が小さく、胸部傷害の発生確率を低減する効果のあることがわかりました。クロスシートの背もたれのクッション材あるいは骨組材の耐力などを変えて比較したところ、骨組材の耐力を下げた場合に、その変形により頭部の衝突加速度が抑えられ、傷害発生確率を低減できることがわかりました。ただし、適切な骨組材の耐力の下げ幅については今後十分な検討が必要です。
 座席の乗客を想定したダミー人形衝撃実験を実施し(図2)、座席との接触部位、接触タイミング、人体の加速度など、衝撃時の挙動を調査しました。ロングシートの袖仕切りは板型の方がパイプ型よりも胸部変位が小さく、上記シミュレーション結果が実験でも確認されました(図3)。
 今後は列車衝突方向を正面衝突・追突以外も対象とするなど、条件を広げて、車内の安全性評価研究を進める予定です。なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。




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