7.河川増水時における橋脚基礎の健全性評価システム

・河川増水時における橋脚基礎の健全性を橋脚の微動を用いて、リアルタイムで評価できる方法を開発しました。

 橋脚基礎は河川増水時に洗掘等の影響で不安定となる場合があります。しかし、河川増水中に橋脚基礎の状態を目視により確認することは不可能です。また、重錘を用いた衝撃振動により固有振動数を求めて橋脚基礎の健全性を評価する手法がありますが、増水時の衝撃振動試験は安全性の点で困難です。そこで、増水時の橋脚の微動に着目して現地計測および実験を行った結果、橋脚の微動からも固有振動数を精度良く特定できることが分かりました(図1)。
 この考えに基づいて、増水時の橋脚の微動から橋脚基礎の健全性を簡易かつ的確に評価するシステムを開発しました。システムは橋脚天端に設置する振動センサ、計測の制御・データの保存・評価および結果の送信を行う計測処理装置、水位計、評価結果を受信し表示する表示装置で構成されています。これらの機器は可搬型となっており、橋脚天端に設置します。
 橋脚基礎の健全性評価は、微動データを基に橋脚の固有振動数を自動的に算定し、橋脚基礎の状態に応じて予め定めた基準の固有振動数と比較することにより、健全性をリアルタイムで評価するものです(図2)。評価結果は、計測処理部に保存されるとともに、保守作業員の携帯する表示装置に表示されます。したがって、増水中の橋梁上での作業が軽減されます。
 本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。

 



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