10.新幹線の地震時脱線対策

・新幹線台車を使用して地震動を模擬した振動試験を行い、台車、輪軸、レール等の挙動を把握し、シミュレーションの結果と概ね一致することを確認しました。
・脱線車輪による接着絶縁レールなどの損傷防止対策を検討しました。

 新幹線の地震時脱線対策として、脱線を防止する脱線防止ガード、脱線後の被害を軽減する逸脱防止ガード、車両ガイド、レール転倒防止装置、接着絶縁レール及び伸縮継目について、JR各社、鉄道・運輸機構と共同で開発を進めています。これら対策案の開発にあたり、地震時の車両の挙動を確認するために振動試験を実施しました。

 □ 実台車による振動試験
新幹線の1台車を用いた振動試験では、脱線防止ガードや逸脱防止ガードに作用する地震時荷重の確認試験および車両運動シミュレーションを実施しました(図1)。振動試験条件を表1に示します。加振波形として4種類を用いました。

 

 振動試験の結果と車両運動シミュレーションとを比較すると、両者の結果は概ね一致しました(図2)。なお、振動試験は国土交通省補助金を受けて実施しました。

 □ 脱線対策の例
 車両ガイドは、脱線した車両が軌道から逸脱することを防ぐ装置です(図3)。ガイドが損傷しないように、静荷重試験とFEM解析により衝撃荷重を求め、想定される荷重に耐えることを確認しました。
 上越新幹線の脱線では、脱線した車輪が接着絶縁レールの端部を衝撃してレールが破断しました。この場合、車両が軌道から大きく逸脱して被害が拡大する恐れがあるため、車輪や台車部材の継目板端部への衝撃を低減し、継目板ボルトに車輪が接触しない形状とした接着絶縁レールを試作しました(図4)。

 



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