3.小径鋼管とソイルセメントを用いた斜杭基礎構造

・既設基礎の補強工事に適した新しい斜杭基礎構造を提案しました。
・斜杭の構造は、斜めに施工したソイルセメントに小径鋼管を挿入したものです。
・施工試験と載荷試験により近接・狭隘箇所での施工性と補強効果を確認しました。

 近年、既設構造物の耐震性能向上や線増工事・駅改良工事のために既設基礎を補強する必要性が多く生じています。これらの場合、施工環境が線路近接・狭隘・低空頭となるため、施工機械が大きい従来工法では対応が困難でした。
 そこで、斜めに施工したソイルセメントに小径鋼管を挿入した斜杭による補強工法を開発しました(図1)。まず、10分の1スケールの模型基礎を用いて水平載荷試験を行い、支持力不足の直杭基礎を、斜杭を併用した複合基礎とすることにより支持力が飛躍的に向上することを確認しました(図2)。
 次に本工法の施工性を確認するために、角度45度、杭長5mの斜杭の施工試験および水平載荷試験を実施しました。その結果、従来工法では困難であった線路近接・狭隘・低空頭での施工が容易にできること、ならびに比較的短い斜杭により既設基礎の性能を大幅に向上できることを確認しました。また、数値解析を広範に行い、既設基礎の耐震補強に必要とされる斜杭本数・角度等の算定図表を作成しました。さらに、本工法が従来工法に比べ10%コスト減、施工性向上、騒音振動低減などの効果を有することを確認しました。





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