兵庫県南部地震以降、大地震に対応するために橋脚躯体、フーチング、杭は大幅に強化されました。特に場所打ち鉄筋コンクリート杭(RC杭)は、鉄筋量および杭径が増大し、建設コスト増大の一因となっています。そのため、高い耐震性と経済性を有する合理的な場所打ちRC杭の開発が求められています。
このため場所打ちRC杭とフーチングの接合構造に関して、L1レベルの地震には無損傷とし、L2レベルの地震には降伏後の損傷を抑制できる新たな杭頭接合構造を提案しました(図1)。これは杭頭部の帯鉄筋量を増大させ、帯鉄筋間隔を狭くすることで主鉄筋の座屈・破断を防止し、内部コンクリートの保護を図ったものです。杭頭部に巻き付けた接着性シートは、損傷後の鉄筋の腐食対策です。
杭頭接合構造の模型水平載荷実験により、杭頭部に帯鉄筋を高密度に配置することによって主鉄筋の座屈・破断を防止し、内部コンクリートの保護ができることを確認しました(図2)。また、変形性能評価法を提案し、設計プログラムおよびマニュアルを作成しました。試計算では、RC杭本体の主鉄筋量と杭径の減少により、杭の施工コストの10〜20%削減が期待できます。
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