5.仮土留め壁の本体利用工法

・仮土留め壁を利用して本設の土留め壁を構築する工法を開発しました。

 諸工事で使用する仮土留め工には鋼矢板や親杭横矢板、ソイルセメント壁などの仮土留め壁が用いられています。仮土留め工を行った後、その前面に擁壁等の本体構造物が施工され、仮土留め壁はそのまま残置するか、もしくは本体完成後に撤去されます。このような施工手順は、施工期間の長期化、周辺地盤・構造物への影響の増加、コストの増加などの問題を生じています。また、都市部や線間などの狭隘箇所においては、用地が少なく適切な施工スペースが確保されないことから仮土留め壁の前面に本体構造物を施工することが困難であり、仮土留め壁の有効利用が求められています。
 そのため,仮土留め壁を利用して擁壁を構築する工法(図1)を提案しました。本体利用を考慮した仮設の構造(図2)ならびに仮設時状態を考慮した上での本体構造物としての設計について検討を行い、設計法および適切な構造細目を提案しました。本工法は、仮土留め壁を本体の構造部材として有効利用し本体構造物とするため、本体構造物を別途新たに施工する必要がないことから、施工期間も短く、合理的かつ経済性に優れた工法です。従来の工法に比べ、現場の条件にもよりますが20〜50%程度コストが低減できると考えられます。また、仮土留め壁の位置が本体構造物の位置となることから、軌道からの距離を離すことができたり、用地の有効に活用を行うことができます。
 このような利点から、本工法はJR等で実用されております。





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