1.駅における高速列車通過時の圧力変動と部材変位の予測法

・高速列車通過時の駅部の圧力変動について数値解析手法を提案しました。
・圧力変動を受ける部材の応答変位予測法を提案しました。

 高速列車が駅を通過する際に発生する圧力変動は、駅プラットホームを構成する部材へ繰り返し荷重として作用し、過大な変形や疲労損傷が生じる場合があります。特に、プラットホーム階が全て上家で覆われる場合(図1)、圧力変動は増大します。このため、駅施設の設計や保守に際して圧力変動の影響を十分に配慮する必要があります。
 既往の圧力変動算定式では、プラットホーム階の開口量を考慮していないため、実測結果と比較すると大きな誤差が見られました。そこで、圧力変動の数値解析手法を確立するとともに、プラットホーム階の開口量や断面積などを考慮した圧力変動ピーク値の簡易な算定式を作成しました(図2)。
 圧力変動は列車速度や車両からの離れなどによりピーク値と卓越周期が変化し、部材の固有周期に近い場合は共振により応答変位が増大します。そこで、動的挙動を考慮できる応答スペクトル法を適用し、圧力変動を受ける部材の応答変位を簡易に予測することを可能としました(図3)。
 速度向上時の影響予測や新設駅の設計などに本手法を活用することにより、駅施設の安全性を一層向上させることができます。




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