2.自動改札機を活用した詳細な旅客流動推定

・自動改札機通過データを用いて詳細な旅客流動を推定する手法を開発しました。

 旅客需要に適合した列車運行の実現のためには、詳細な旅客流動(列車別、目的地別の詳細な輸送需要)を把握することが必要です。列車乗車人員報告(ノリホ)や車両ばね圧データでは、乗車人員の総数を把握することはできますが、その内訳(乗客の目的地や乗車経路の内訳)は不明です。一方、大都市交通センサスをはじめとする社会調査では、詳細な流動データを把握できますが、調査頻度が非常に低いという課題があります。
 そこで、自動改札機が記録する時間帯別ODデータ(発駅と着駅の組合せごとの利用者数)と列車ダイヤデータを入力とし、旅客の経路選択モデルに基づいて詳細な旅客流動を推定する手法を開発しました。これにより、列車別乗車人員の推移、各列車の駅ごとの乗降人員、駅間断面交通量、駅構内の乗換え人数等の流動データを、列車別および目的地別に細分化した形で取得することができます(図1)。また、都市圏の大規模鉄道ネットワーク(約300駅)に対して本手法を適用して推定した車内人数の推定値は、ノリホによる調査結果に対して高い相関を示しています(図2)。本手法を用いると大都市交通センサス並みの詳細な旅客流動データを高頻度で取得することが可能となり、需要にきめ細かく対応した輸送計画策定が期待できます。




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