4.ブレーキ時の乗り心地評価法

・ブレーキ時の減速度、ジャークおよび乗り心地の関係を明らかにしました。
・乗り心地指標の値を最適とする乗り心地の評価法を提案しました。

 列車の速達化あるいは大量輸送に向けて、駅停車時の高減速化による輸送効率の向上は一つの重要な技術課題と考えられます。そのような高減速運転においても乗り心地を損なわない運転を実現するブレーキパターンを検討するため、被験者を使った試験により減速度、減速度の時間変化量(ジャーク)および乗り心地の関係を明らかにし、これに基づいた評価方法を提案しました。
 まず、リニア試験線および営業線での試験を行い、これまでに得られていなかった高い減速度領域で、減速度、ジャークおよび乗り心地の関係がわかりました(図1)。特に0.1m/s3程度のジャークの差が乗り心地に影響を与えるという重要な結果を得ました。次に、混雑率100、150、250%を模擬した実験及び在来線での現車試験を実施し、混雑がブレーキ時の乗り心地に与える影響について基礎データを得ました。混雑率が高いと人にかかる圧力が増し、乗り心地も悪くなる傾向が確認されました。
 これらの結果より、減速度とジャークからブレーキの乗り心地を評価することができる乗り心地指標を提案しました(図2)。この指標はその値が大きい場合に乗り心地が悪くなることを示します。さらに、図2に示した台形波のブレーキパターンについて、ブレーキ時の速度と停止距離に対し、この指標が最小となる減速度とジャークを解析的に求め、停車時の乗り心地が最適となるブレーキパターンとして提案しました。




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