2.風洞試験におけるパンタグラフの圧力・騒音測定法の高精度化

・感圧塗料を用いた圧力計測により、パンタグラフの揚力・空力音特性に対して舟体と枠組との空力干渉が強い影響を及ぼしていることを確認しました。
・雑音成分低減手法の開発により風洞測定部主流近傍における騒音計測が可能となり、供試体の空力音源位置を高精度で同定できるようになりました。

 パンタグラフの表面圧力計測手法としては表面に設けた小孔の圧力をセンサで計測する方法が一般的ですが、測定点数を増やすことが容易ではないため詳細な圧力分布を得ることは困難です。そこで感圧塗料による圧力計測技術を適用し、表面圧力の面分布を詳細に測定しました。その結果、舟体と枠組との接合部付近には強い空力干渉が生じており、これがパンタグラフ全体の揚力特性に大きな影響を与えている様子を捉えることができました(図1)。一方、パンタグラフなど供試体の空力音源同定精度向上にはマイクロホンアレイを供試体に近づけることが有効ですが,従来の測定方法ではマイクロホンからの風切音を避けるため、設置位置が開放型測定部の主流外部に制限されていました。新しく開発した測定手法では開放型測定部主流近傍や密閉型測定部壁面にマイクロホンアレイを設置することが可能となり、風速300km/hにおける音源位置同定誤差を、従来の約50mmから開放胴の場合で約5mm、密閉胴の場合で約30mmに改善しました(図2)。以上の測定技術により、パンタグラフの揚力特性・空力音特性向上を目指した風洞試験をより効率的に進めることが可能となります。




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