列車の高速化が進むにつれ、従来は問題となっていなかった低レベルの低周波音の現象が沿線で問題になりつつあります。例えば、列車が明かり区間にある構造物を通過する場合、周囲へ放射される圧力波もその一つです。
このため、列車が跨線橋(図1)を通過する際に生じる現象について、現地測定、模型実験、理論解析を実施し、圧力波の速度乗則、距離減衰、指向性などの特性を明らかにしました。また、圧力波の発生メカニズムは、跨線橋を短いトンネルと見なした場合に生じるトンネル微気圧波、突入・退出波の組合せで説明できることを示しました。さらにそれらの知見から、実際上問題となりうるような長さの跨線橋から放射される圧力波を解析的に予測し(図2)、その結果は実験結果とよく一致しました(図3)。
これらの成果は、新幹線等の速度向上において、沿線環境に対する事前の検討手法として活用できます。
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