1.在来線用カーボン系すり板の軽量化
  • 軽量化した混合・焼結型カーボン系すり板を開発し、摩耗率を25%低減しました。
  • ねじ止め装着式のC/C(炭素繊維強化炭素)複合材専用舟体では、現用舟体に比べ、すり板の摩耗率が約1/2になりました。
  • すり板を軽量化すると、パンタグラフのばね上質量が軽くなり、パンタグラフの追随特性の向上や離線率の低減とともに、すり板の寿命延伸が期待できます。そこで、カーボン系すり板の性能向上策として軽量化に重点を置いた試作・開発を行いました。
     現用すり板より約10%金属比率を下げ、樹枝状金属粉末を配合することにより抵抗率と機械的強度の低下を実用範囲内におさえ、10%軽量化した混合・焼結型カーボン系すり板を試作しました。このすり板を定置摩耗試験で摩耗特性を確認後、通勤型車両に搭載した結果、現用すり板よりも摩耗率が25%低減することが確認できました(図1)。
     また、ねじ止め装着式のC/C複合材製カーボン系すり板専用の舟体を試作し、C/C複合材製すり板を取り付けて別の通勤型車両に搭載した結果、現用の金属含浸型カーボン系すり板を現用の舟体に取り付けて使った場合に比べ、摩耗率が約1/2となりました(図2)。これはすり板材質にC/C複合材を採用したことにより、現用すり板より軽量になり、すり板幅を1舟体あたり14mm広げることができ、パンタグラフの追随特性を向上させることができたため、すり板の寿命が飛躍的に向上したものです。
     今後はC/C複合材製カーボン系すり板の耐摩耗性や強度の向上、さらに信頼性を向上させるため、ねじ止め装着の材質改良を行う予定です。




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