1.低コスト振子制御システム
  • 現行システムの約1/3のコストで実現できる振子制御システムを開発しました。
  • 振子車両で問題となる乗り物酔いの指標を30%以上低減できます。
  • 既存の自然振子方式車両にも取り付け可能で、現行の制御付振子システムに対して約1/3のコストで実現できる低コスト振子制御システムを開発しました。
     本システムの傾斜制御装置は線路データを持たないので、先行する隣接車のヨー角速度と速度で超過遠心加速度を予測して目標の傾斜角を決める方法を採用しています(図1)。このため、走行位置検出機能や車両間通信機器が不要で、低コストに制御付振子車両を実現できます。また、非制御時には従来の振子ダンパと同じ性能になる電動油圧式アクチュエータ(EHA)を車体傾斜アクチュエータとして用いるため、既存の自然振子車両の振子ダンパと置き換えが可能です。
     また、先行隣接車が存在しない先頭車の制御としては、加速度センサの併用で目標傾斜角の演算遅れを改善する手法を開発しました。従来の方法に比べ、本方法では目標演算遅れが半分以下になることを、走行シミュレーションで確認しました。
     本システムを用いた場合の乗り物酔いの軽減効果については、走行試験により乗り物酔い暴露量値(0.3Hz付近の低周波振動の累積値で乗り物酔いを評価する指標)が30%以上低減されることを確認しました。車体傾斜の遅れ時間により発生する曲線出入口での超過遠心加速度の低減に有効です(図2)。




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