転動音は車輪・レール面上の微小な凹凸に起因する加振力によって車輪とレールが振動することにより発生する音で(図1)、新幹線や在来線の沿線騒音に対する主要な音源になっています。転動音の評価・低減対策を進めるために、欧州で提案された理論モデルを基に、転動音を予測する手法を開発しました。
転動音の発生メカニズムに係わる現象を解明するため、実地試験、数値計算等により、車輪、レールの表面凹凸分布や振動・音響特性等を解析しました。解析結果から各現象に対応する振動・音響モデルを構築し、それらを組み合わせることにより、転動音予測法を構成しました。
新幹線1区間、在来線3区間で転動音予測法の精度評価を行ったところ、予測値と実測値はほぼ一致し、平均ずれ量で1dB以下、ずれ量の標準偏差は3dB以下でした(図2(a))。また、転動音を構成する各音源の寄与に関しては、500〜1600Hzではレール、2500Hz以上では車輪が主な成分であることがわかりました(図2(b))。
今後、この予測法を転動音の低減対策の開発に活用していきます。
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