3.浅い所に位置する山岳トンネルの耐震性評価手法
  • 浅い所に位置する山岳トンネルの地震被害のメカニズムを解明しました。
  • 山岳トンネルの耐震性能や地震対策工の効果を把握しました。
  • 耐震性評価手法を提案し、地震対策マニュアルとしてまとめました。

 近年、地盤面から浅い位置においても山岳トンネルが採用される事例が増加しています。このようなトンネルは地盤が軟らかいために地震被害を受けやすいと言えますが、トンネルは地震に強い構造物とされていたため、耐震性評価手法は整備されていませんでした。そこで、模型実験や数値解析を通じて耐震性評価手法を提案しました。
 浅い所に位置するトンネルについて、模型試験により実際の地震被害を再現するとともに(図1)、地震被害のメカニズムの解明とトンネルの耐震性能や地震対策工の効果の把握を行いました(図2)。この試験で欠陥を有するトンネルに対策工(裏込注入工)を施工することにより、覆工コンクリートの圧ざ(曲げ圧縮破壊による剥離)現象が生じる地盤のせん断ひずみが、対策前に比べ約2 倍になることがわかりました。次に、圧ざを表現できる解析手法を新たに開発し、実トンネルの地震被害予測を行うとともに、裏込注入工や繊維補強コンクリート覆工などの地震対策工の効果を確認しました。
 以上の成果に基づき、浅い所に位置する山岳トンネルの耐震性評価手法を提案しました(図3)。また、提案した評価手法を文書化し、山岳トンネル地震対策マニュアルとしてまとめました。
 なお、本研究の一部は運輸分野における基礎的研究推進制度により実施しました。





研究・開発 > 主要な研究開発成果(2008年度) > I 安全性・信頼性

HOME
RTRI ホームページ

Copyright(c) 2009 Railway Technical Research Institute,Tokyo Japan, All rights reserved.