4.鋼矢板を用いた既設基礎の簡便な耐震補強工法
  • 鋼矢板を用いた既設基礎の簡便で経済的な耐震補強工法を開発しました。
  • 本工法の設計法を提案し、耐震補強設計マニュアルを作成しました。

 1995 年の兵庫県南部地震以降、既設の高架橋・橋梁の柱や橋脚に対して耐震補強工事が進められています。一方、これらを支持する既設基礎の耐震補強工事は、補強対象が地中にあるため、多大なコストと時間が必要となります。そこで、既設基礎の簡便で経済的な耐震補強工法と、その設計法を開発しました。
 提案工法は、既設基礎の周囲に鋼矢板を打設して、鋼矢板と既設基礎を増しフーチングにより一体化させる工法です(図1)。従来の増し杭工法や地盤改良を行う補強工法に比べて、簡便で経済的な工法です。ある事例では,従来の場所打ち杭を用いた増し杭工法に比べ、工費・工期ともに概ね半減することができました。
 実大杭基礎の1/10 模型を用いた模型実験から、鋼矢板による水平地盤抵抗の増加により、模型基礎の水平剛性が2 割程度増加するとともに、既設杭に発生する断面力が半分程度に低下し(図2)、耐震性が向上することを確認しました。
 また、この補強効果を取り入れた骨組み解析モデルによる設計法を提案し、耐震補強設計マニュアルを作成して実務設計へ適用できるようにしました。
 既にJR および民鉄の一部の既設基礎で、本工法を用いて耐震補強が実施されています。





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