5.既設鋼下路桁の床組に生じる疲労き裂の発生原因と対策手法
  • 既設鋼下路桁の床組に生じる疲労き裂の発生原因を明らかにしました。
  • 疲労き裂の発生部位に応じたき裂予防対策手法を提案しました。

 下路プレートガーダーや下路トラスなどの下路形式の既設鋼鉄道橋では、床組部材の疲労変状が近年多発しています。特に、縦桁・横桁連結部からは多くの疲労き裂が発生しており、これが進展した場合、部材の破断を引き起こし、列車の走行に重大な影響を及ぼす恐れがあります。そこで、この縦桁・横桁連結部に着目し、変状調査、解析および載荷実験によって疲労き裂の発生原因を明らかにし、き裂の予防対策手法を提案しました。
 変状調査により、縦桁・横桁連結部に発生するき裂の特徴を発生部位毎に整理しました(図1)。そして、有限要素解析によるシミュレーションおよび実橋部材を用いた載荷実験によって、き裂の発生は、特定の変形が原因であることを明らかにしました(図2)。その結果から、各き裂に対する予防対策として変形を抑える補強手法を考案し(図3、4)、載荷実験によって発生部位における応力の低減効果を確認しました。例えば、縦桁上端に対する対策(図4) では、発生応力を約半分に低減でき、余寿命を約8 倍に延ばすことが可能となります。本手法は,発生したき裂に対する対策としても有用です。





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