現在、電気・保線等の保守区における毎月の勤務計画作成は、ほとんど手作業で行われ多くの時間がかけられています。これまで乗務員向けの勤務計画自動作成システムは検討されていますが、保守区向けはほとんど検討されていませんでした。 そこで、勤務計画作成の負担を軽減することを目的に、保守区の勤務形態を考慮した数理計画モデルを構築し、そのモデルを基にコンピュータにより勤務計画表を自動作成するシステムを開発しました。 このシステムは、氏名、資格、作業(日時・内容・必要人数・必要資格)、公休特休指定日、休暇希望などのデータを入力し、条件設定を行うと、条件を満たす勤務予定表を出力します。条件を満たせない場合は、要因と考えられる箇所を抽出します。また、出力された結果を手動で修正することができ、修正後に条件の再チェックを行うことができます(図1)。これらの機能を使えば、計画作成上の細かいルールへの対応など、各現場の個別の状況に合わせた柔軟な計画作成が可能です。さらに、月ごとに大きく異なる作業計画や保守担当者の特殊な勤務形態にも柔軟に対応できます。 実際の作業予定を入力して一般的なパソコンで計算実験を行った結果、十数人程度のグループであれば数十秒で勤務計画表が作成できました。現場での試使用の結果、従来数時間から十数時間かかる作業が、このシステムでは数十分程度でできることを確認しました。