11.ダイヤ乱れ時の貨物列車の機関車運用整理案自動作成システム
  • ダイヤ乱れ時の機関車運用整理案を自動作成するシステムを開発しました。
  • 列車本数が多い区間の3日間にわたる整理案を、90秒程度で作成します。

 貨物列車は複数の地域をまたがる長距離運行が多く、ある区間で輸送障害が発生すると、その影響が広がり全体のダイヤが大幅に乱れることがあります。このとき列車の遅延や運休にあわせて列車に充当する機関車を変更(運用整理)する必要がありますが、担当者の手作業に委ねられており業務負担の軽減と迅速化が望まれています。
 そこで乱れに伴う変更ダイヤの入力情報をもとに、形式ごとのけん引力や入線範囲、機関区の時間帯あたりの検査可能台数などの条件を満たしながら、各列車に機関車を充当し直す、数理最適化手法に基づいた機関車運用整理案自動作成システムを開発しました(図1)。本システムでは、数十時間おきに実施する機関車の仕業検査間合いを確保した上で、運用変更の回数を少なくすることや、できるだけ所定の検査予定を守ることなど、整理にあたっての重視項目の重みを変えることで、同じ変更ダイヤに対して複数の整理案を作成して比較することができます。
 貨物列車本数が1 日上下250 本強の区間で50 本程度のダイヤ乱れが生じ、運用復旧の目標を3 日間とした場合の整理案作成試験では、パソコンを用いて90 秒程度の計算時間で運用整理案が得られました。
 本システムと既開発の乗務員運用整理案自動作成システムとを連動させることで、総合的な運用整理支援システムを構築することができます。





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