3.高速用パンタグラフの空力音低減手法
  • パンタグラフ空力音の主要音源である舟体、舟支え、台枠、中間ヒンジなどに対 し、形状改良および多孔質材貼付による騒音低減手法を開発しました。
  • 風洞試験により、現用品に対して約4dBの空力音低減効果を確認しました。

 近年の新幹線高速化に伴い、パンタグラフから発生する空力音の低減は重要な課題となっています。そこで、舟体、舟支え、中間ヒンジ、台枠などパンタグラフの主要な空力音源となっている部位に対して、それぞれ有効な空力音低減手法の開発を行いました。
 空力音への寄与が大きい舟体では、適正な揚力特性を維持しつつ低騒音化を実現することが重要な課題です。そこで、流れ場の数値計算と最適化理論を組み合わせた手法により舟体の形状最適化を行い、現用舟体と同程度の揚力特性を具備したうえで低騒音化が可能な舟体形状を提案しました。さらに、舟体と枠組との空力干渉に起因する空力音の誘起を防止する舟支え形状を提案し、実機搭載可能な舟体、舟支えを試作しました。一方、台枠、中間ヒンジなど比較的大きな部材に対しては、多孔質材を貼付する騒音低減手法を開発しました。
 これらの手法を新幹線用パンタグラフに適用し( 図1)、大型低騒音風洞においてその空力音低減効果を検証した結果、現用パンタグラフに対しOA(オーバーオール)値で約4dB(A) の空力音低減効果があることを確認しました( 図2)。





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