4.地下水流動阻害評価のための3次元浸透流解析手法
  • 地下構造物の施工に伴う地下水流動阻害を評価し、対策工を設計する3次元浸透 流解析プログラムを開発しました。

 近年、都市部では、道路交通事情の悪化や振動・騒音問題などから、鉄道構造物の地下化が行われています。特に駅部では大規模な土留め工などが地中部に構築されるため、水の流れの連続的な遮断によって地下水環境が大きく変化し、井戸枯れや周辺地盤の変状などの影響を及ぼします。そこで、地下構造物を構築することにより発生する地下水の流動阻害を評価し、対策工を設計するために有限要素法を用いた3 次元の浸透流解析プログラムを開発しました(図1)。
 このプログラムでは、複雑な地層の評価や広い影響範囲など地下水問題の特徴を考慮して、数km の領域において地下水位の変動や地中の土の含水状態などをパソコンを用いて解析することができます。また、完成時のみならず、掘削時など施工過程ごとの時系列的な挙動も評価することができます。このような浸透流解析では地盤の透水係数が重要な入力パラメータとなることから、透水試験方法の違いにより補正し、精度を向上する手法を提案し、より実現象に近い解析ができるようにしました。
 さらに、通水管などの地下水流動阻害対策工のモデルを本プログラムに組み込むことで、対策工の効果を評価するとともに、工法や数量・配置など適切な対策を提案できるようにしました(図2)。





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