2.荷重センサ等に適用できる圧電ゴム

 圧電材料は振動低減材料やセンサに利用されていますが、既存の圧電セラミックは割れやすく自由に成型できないという課題があります。一方、圧電粒子を配合したゴム(圧電ゴム)は衝撃力の加わる箇所や複雑な形状の箇所への適用が期待できます。しかし、従来の圧電ゴムの製法では、力を電気に変換する圧電性能が十分に得られませんでした。そこで、ゴム材の種類、圧電粒子の量、粒径や混合方法等を検討して、圧電性能を向上できる製法を提案し、柔軟性を保ったままで従来の4倍以上の圧電性能を持つ圧電ゴムを開発しました(図1、表1)。
 開発した圧電ゴムの用途を検討した結果、センサとして適用できることがわかりました。圧電ゴムにかけた荷重に対して高い線形性で電荷が発生し、荷重センサに適用できること(図2)、さらに橋梁上のレール継目のまくらぎ下に置いた圧電ゴムは、車両が通過しても壊れることなく電圧を発生し、衝撃荷重下での力感知センサに適用できることを確認しました(図3)。
 圧電性能が向上したことで、今後、振動低減材料としての使用が期待されます。