3.交番順序を考慮した乗務員行路計画作成手法と運用評価手法

 行路の暦日数の最小化を目的とした従来の行路計画作成手法では、次の工程で勤務する行路および休日の順序(交番順序)の作成に必要な条件を考慮できないため、在宅休養時間の確保に伴って効率が低下し、要員数が増加するという問題がありました。また、作成した運用計画案には大量の行路が含まれるため、妥当性や効率性を人の目で確認したり定量的に評価することが困難であるという問題もありました。
 そこで、前者については、行路計画作成処理と、一つの行路計画案に対して要員数が最小になる交番順序を作成する処理を繰り返すことにより要員数の最小化を図る、行路計画作成アルゴリズムを開発しました(図1)。本手法により、手作業による運用計画と比較して要員数を削減でき、従来手法の問題が解消されることを確認しました。
 また、後者については、行路の効率性や労働負荷などを表す様々な評価指標について、運用計画案における評価指標の分布をグラフ表示する、運用評価値可視化ツールを開発しました(図2)。これにより、特異な行路の有無や行路計画全体のバランスといった計画案の妥当性の検証や、複数の評価指標を総合的に評価することができます。複数の計画案を表示することができるため、計画の改善効果の検証や、規程類などの見直しの検討などにも活用できます。