6.高温超電導磁気軸受を用いたフライホイール蓄電装置

 超電導技術の在来鉄道応用のひとつとして、鉄道のより一層の省エネルギーを目指し、超電導コイルと超電導バルク体を組み合せた磁気軸受により回転部の摩擦抵抗をなくしたフライホイールを支持する蓄電装置を開発しています。
 これまでに、回転する超電導バルク体の冷却に液体窒素を使わず冷凍機によって冷却するシステム構成を提案し、検証するための小型の試験装置を製作しました(図1)。この装置には、軸受の固定側に高温超電導コイル、回転側に高温超電導バルク体を採用した磁気軸受を用いています(図2)。
 この装置でフライホイールの完全非接触浮上を実現しました。さらに軸受の固定側の組立精度向上などを図り、永久磁石カップリング装置を用いた非接触駆動により、フライホイールを毎分2000回転以上まで回転させることも実現しました(図3)。今後は、鉄道で必要な10kWhの蓄電容量を有する装置の開発を目指します。