4.新幹線ディスクブレーキの制動ノイズ軽減

 新幹線車両の停車時に生じるディスクブレーキからの制動ノイズ(ブレーキ鳴き)について、現象の解明と発生要因の判別を行い、ノイズを軽減するための指針を示しました。
 ディスクブレーキ構造体の振動モード解析から、ブレーキ鳴きは制動面の微小な摩擦変動に起因した系の自励振動が発散して生じることを明らかにしました。また、高速回転するディスクの高周波振動が把握可能な独自の計測システムを開発し、これを組み込んだベンチ試験により、ブレーキ鳴きの定量的な評価を行いました(図1)。その結果、低剛性のディスクに低速域・低押付力で摩擦係数が0.6を超えるライニングを組み合わせると、ライニング振動とディスク振動の連成強度が高まって発散し、ブレーキ鳴きが生じることを明らかにしました。それらを元に、ディスクの取付剛性を高めるなどの基本的な対策指針を示しました。