1.補強土体と一体橋梁を結合した補強盛土一体橋梁

 従来型の桁・橋台形式の橋梁では、盛土・橋梁境界部において盛土の沈下や支承部の機能不全などの変状発生の他に、耐震上の弱点箇所となる課題がありました。このような課題に対して、支承を無くし桁と橋台が一体となった一体橋梁と背面盛土の自立性を高めた補強土体を結合し「補強盛土一体橋梁」を開発しました。これにより、背面盛土の沈下防止や側壁のひび割れ防止の他に、橋梁全体の耐震性の向上が期待できます。(図1)。
 鉄道総研の盛土試験場に実大試験橋梁を構築し、2年弱の長期動態計測の他、桁の温度伸縮を考慮した繰返し水平載荷試験、L2地震レベルの正負交番水平載荷試験を実施し、本橋梁の常時安定性や耐震性を確認しました(図2)。補強盛土一体橋梁は、既に北海道新幹線に適用され、高い津波抵抗性も期待できることから三陸鉄道の復旧にも採用されています。本橋梁の適用スパンは、RCラーメン高架橋と同様です。