女性職員座談会

参加者プロフィール

平成3年入社 企画室(当時)

平成7年入社 材料技術研究部(当時)

平成14年入社 信号・情報技術研究部(当時)

平成17年入社 車両構造技術研究部(当時)

人事課長

本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。まずは、皆さんが就職に際して、鉄道総研を志望された理由をお聞かせください。

理系出身なので、その知識と興味を活かした仕事をしたいと思い、当初はメーカーの技術開発職、できれば研究開発職を志望していました。正直、特に鉄道業界を意識して就職先を検討していた訳ではありませんでした。ただ、就職後も、長く働きたいという気持ちは持っていました。当時は男女雇用機会均等法の施行から3年位経っていましたが、女性が働き続けることは、今ほど当り前ではなかったように思います。そんな状況でしたが、当時の鉄道総研の若手職員や管理職の方々に何度かお話を伺う中で、私の希望に合っていると感じたので志望することにしました。

私は中学生の頃から理系へ進むと決めていて、大学では博士課程まで進学しました。それもあって、研究開発職を第一に考えていました。そうした時に、学会で職員の方に声を掛けていただき、鉄道総研のことを知りました。それから、総研の概要や研究内容を調べ始めたというのが正直なところです。学生時代には航空機やロケットの研究をしていましたが、もっと身近なものを対象にしたいと思い、鉄道総研を志望しました。

私が就職活動をしていた時は、いわゆる就職氷河期で就職すること自体が結構、大変でした。そんな状況の中で、研究開発職を募集している数少ない会社として、鉄道総研の存在を知りました。私も学生時代は理論物理学、それも素粒子という余り身近ではないものを研究していましたが、もっと日々の生活にかかわるものとして、鉄道に関わる研究に興味を持つようになりました。最終的には、会社を訪問した時に、採用担当の方や、後に上司となる職員の方の温かみのある対応に触れて、志望を固めました。

私の時も同じような状況でした。当初は、結婚してからも長く働けそうな大手メーカーを中心に考えていましたが、大学の先輩を通じて鉄道総研のことを知る機会がありました。実は、当初は、研究開発職に就くことはあまり考えていなかったのですが、色々と考えていく内に、何か新しいことをチャレンジしていく仕事に対する魅力を感じるようになりました。また、会社を訪問した時に、先輩女性職員のお話を伺う機会があり、雰囲気が良かったことや、結婚した後も長く働けそうだと感じたのも決めてになりました。

コラム 1

女性職員のライフキャリアの例

鉄道総研の全職員数は531人で、そのうち41人が女性です(平成30年4月1日現在)。以下に女性の研究開発職員のライフキャリアの例を示します。

注)座談会出席者のものではありません。
 


何人かの方が「長く働けそう」というイメージを抱いて入社されたようですが、入ってみて実際にはどうでしたか?

入社前のイメージと入社後に受けた感じには、あまりギャップは感じていません。

研究所と言うこともあるかも知れませんが、女性だからということで仕事の特別扱いはあまりないですね。

ただ、鉄道業界は元々女性が少なかったせいか、良くしてもらっていると感じたことはあります。

そうですね。仕事の上では、すぐに名前を憶えてもらえたりして、やりやすいと感じることはあります。

敢えて難を言えば、相手の方が大勢なので、こちらが覚えきれずに申し訳ない位ですね。(笑)

現地試験などに行っても、やはり女性は少ないので、気を遣ってくださると感じることは多いです。でも、それは全て良い意味での気遣いであり、嫌な思いをしたことはありません。

私も少なくとも仕事をしていく上での環境などで、戸惑ったことはないです。あるとすれば、仕事とプライベートの両立に対して、自分自身に対して見通しの甘さというか、計画性の足りなさを感じることはあります。

コラム 2

実際に鉄道が走っている現場に出る!

鉄道総研の業務は、女性だからといって特別扱いされることはありません。列車の走行試験や実験はもちろんのこと、鉄道が走っている現場に出る機会もありますが、もちろん扱いは男女同じです。


今、お話が出ましたが、仕事と育児などプライベートとの両立についてはいかがですか?

入社前は、仕事と育児などの両立は、もっと簡単なことだと考えていました。でも、当然、研究職として仕事をきちんとしたい、という思いはありますので、夫や実家に協力してもらいながら、こなしています。

私も、今になってみると、将来設計を早めにして、例えばJR会社への出向を結婚や出産の前に経験するような働き掛けをしても良かったかな、という思いはあります。鉄道総研は、それを聞いてくれるベースはある所ですから・・・。ただ、私も同じように仕事にはきちんと取り組みたいので、スケジューリングには気を遣っています。また、おかげさまで上司を始め、周囲も状況を理解してくれているのは助かります。

私は短時間勤務制度を有効に活用させてもらっています。それと、特に子育てをしていると、どうしても時間的な制約があるので、仕事を計画的に進めることや、周りにお願いしないといけないことがあれば、早めに整理して伝えておく、ということを心掛けています。締切を前倒しで業務をこなせるようになるなど、短時間勤務制度を利用してから、時間のやりくりが上手くなったと思います。

今になったからこそ、思えることですが、社会人としての人生は案外、長いですから、それぞれのペースに合わせたライフパターンがあってもいいんじゃないかと思います。あまり、短いスパンで、今これをしないと取り残される、などと必要以上に自分を追い込む必要はないと思いますよ。

コラム 3

多様な働き方(仕事とプライベートの両立)を支援する制度

1. フレックスタイム制度

精算期間における総労働時間をあらかじめ定めておき、仕事とのバランスがとれる範囲で、始業および終業の時刻を自ら決められる制度です。ワークライフバランスを図りながら、効率的に働くことができます。鉄道総研の場合は、コアタイムが10時~15時で、精算期間は1か月毎です。



前日までに事前申請することにより、その日は最低1時間以上勤務すれば、コアタイムの適用を除外できます(スーパーフレックス制度)。ただし、その分精算期間内に勤務しなければなりません。精算期間は上述のとおり1か月毎です。


2. テレワーク勤務制度

情報通信技術を駆使した業務の効率化や、従前にこだわらない新しい柔軟な働き方を実現するため、労働時間の全部又は一部について、職員が申請し鉄道総研の承認を受けた上で勤務箇所以外において勤務できる制度です。

対象:勤務箇所で行う場合と同等以上の業務成果が得られかつ業務に支障しないと認められた職員

・月4日まで

 

3. 短時間勤務制度

コラム④をご覧ください。


4. 育児休業制度

子どもを養育する職員が離職をせずに勤務を継続できるようにするため、長期の休暇(無給)が取得できる制度です。

対象:育児

・上限:子どもが3歳になるまで(鉄道総研独自の設定。法令上は「1歳半になるまで」)
・休業終了日の「繰り上げ(期間の短縮)」または「繰り下げ(期間の延長)」が1回に限り可能(「繰り上げ」は鉄道

 総研独自の制度。法令上は「繰り下げ1回に限り可能」)

・当該子が1歳、2歳、3歳に達するまでの各期間において、それぞれ2回に分割して育児休業を取得することが可能
 (「3歳までに最大6回の分割取得」は鉄道総研独自の制度。法令上は「1歳までに2回の分割取得」)

・出生時育児休業として、主に男性職員が子の出生の日又は出産予定日のいずれか遅い方の日から起算して8週間を経

 過する日の翌日までに2回まで合計28日取得可能。

 自ら希望する場合は休業中の就業も可能(ただし日数・時間の上限あり)。

利用者の声

この繰り上げ可能な制度のおかげで、「あらかじめ育休期間を長く申請をしておき、保育園の入所通知を受けたのち育休期間を短縮する」ことができたので、待機児童の母親によくある「職場復帰が決まっているのに預け先がない」という事態にならずにすみました。


5. 介護休業制度

要介護状態にある親など家族を介護する職員が、離職をせずに勤務を継続できるようにするため、長期の休暇(無給)を取得できる制度です。

対象:介護
・上限:介護を必要とするもの1人につき、通算365日(鉄道総研独自の設定。法令上は「93日」)
・休業終了日の「繰り下げ(期間の延長)」が1回に限り可能(繰り上げは限度なし)

6. 育児看護休暇制度

子どもが怪我をしたり、病気にかかった場合、または、病気の予防を図る目的で、子どもを看護するときなどに、休暇が取得できる制度です。

対象:子どもの看護等
・子どもが小学校6年生まで(鉄道総研独自の設定。法令上は「小学校就学前」)

・対象者が1人の場合は年5日【有給】。対象者が2人以上で5日を超えて取得する場合は、プラス年5日【無給】

 (5日間の有給休暇は鉄道総研独自の制度)

・時間単位の取得が可能

7.介護短期休暇制度

要介護状態にある家族を介護する職員が、その家族を介護する場合に短期の休暇(無給)が取得できる制度です。

対象:介護
・対象者が1人の場合は年5日。対象者が2人以上の場合は年10日
・時間単位の取得が可能

8.男性職員次世代休暇制度

配偶者出産時の男性職員休暇制度は、男性職員の配偶者が出産する際、出産時の付添等のため、休暇(有給)が取得できる鉄道総研独自の制度です。

対象:配偶者の出産
・配偶者の出産当日から出産後1箇月までの期間で3日以内

鉄道総研には、色々な働き方をサポートする制度がいくつかあります。ここでは、短時間勤務制度に絞ってお話を伺いたいと思いますが、皆さんは実際に利用されてみて、どうでしたか?

時間的なことを気にしないで、子供の保育園の送り迎えなどができることもさることながら、気持ちの上で余裕を持てることが大きいですね。この制度のおかげで、仕事を含む生活全体を上手く回せています。また、制度を利用するときに、やり難い雰囲気も感じませんでした。

同じですね。

あと、ちょっと大げさかもしれませんが、この制度があるおかげで、仕事を続けられたとも言えます。

こう言うと語弊があるかも知れませんが、保険のような面もあると感じています。例えば、子供の機嫌が悪くて、保育園に送り届けるのに手間取って、出勤が少し遅くならざるを得ないようなときに休暇を使わなくても済むのは助かります。

あと、1か月単位で使用できるのは、とても良いと思います。例えば、子供が夏休みになる時期に使うなど、生活のパターンに合わせられるので、助かっています。

そうですね。他ではあまりない使い方かな、と思います。友達に話すと羨ましがられますね。

コラム 4

鉄道総研の短時間勤務制度とは?

育児、介護、自己啓発等の理由があれば、短時間勤務制度を利用することができます。

例えば育児であれば、小学校6年生までの子を養育する場合に適用できます(法令上は「3歳になるまで」)。

利用パターンには、労働日数を短縮する方法( ケース1 )と、労働時間を短縮する方法( ケース2 )とがあります。
 

ケース1労働日数を短縮する方法

労働時間 9時〜17時40分
労働日数 ① 週3日
② 週4日

ケース2労働時間を短縮する方法

ケース2 週5日
労働時間 ① 9時〜12時
② 10時〜15時(休憩1時間)
③ 13時〜17時
④ 9時〜15時(休憩1時間)
⑤ 9時〜16時(休憩1時間)


※育児、介護中の職員の多くが利用しています。


では最後に、これから就職活動に臨まれる学生さんに、メッセージをお願いします。

長く働きたいと思ってくれる人がいれば、多くの女性に鉄道総研へ入ってもらいたいと思います。

鉄道総研には、時間を有効に使って、色々な働き方をしている人がいます。それをサポートする制度もあるので、長く働き続けたいという意思を持っていらっしゃる方には、働きやすい職場だと思いますよ。

色々な制度が整備されていることは、確かに重要です。ただそれ以上に、仕事を通じて何を成し遂げたいかという意思が大切だと思います。その場が鉄道総研であれば、嬉しいと思います。

私は元々、特に鉄道に対する知識があった訳ではありませんでした。でも、働いてみると、鉄道という社会インフラを対象にするので、比較的に長いスパンで物を考えられる所、技術的な変革が社会に及ぼす影響が大きいところ、などが魅力だと感じるようになりました。その点では、初めは鉄道に対する特別な知識がなくても大丈夫です。それから、長く仕事を続けることで、新しくやりたいことが出てくると思います。続けていくことで、小さいかもしれないけれど、初めの夢が実現し、新しい欲が出てくるような面があるような気がします。鉄道総研には、それをサポートする制度や雰囲気があると思いますので、志のある方を是非、お待ちしています。