速度300km/h超で走行する新幹線車両の騒音対策のためには、車両各部から発生する騒音の音源別寄与度を明らかにする必要があります。そこで、新たに開発したマイクロホン配列型楕円体収音装置(図1)を用いて新幹線車両の音源分布を計測し、1000Hz以上の周波数域において50cm以下の分解能で新幹線車両全体の音源分布を得ました(図2)。
また、音源分布図から車両各部から発生する騒音の音源パワーを推定する手法を考案し、防音壁が無い条件における車両各部からの騒音の寄与度を試算しました。
これまでに定量的な評価の妥当性が検証されているアレイ装置による測定値と音源分布図からの推定値を比較した結果、絶対値は異なりますが、各領域からの騒音レベルの相対的な関係および周波数スペクトルの傾向が得られました(図3)。さらに、模型実験によって音の距離減衰および防音壁による遮蔽減衰を明らかにし、その結果から、防音壁のある区間における車両各部からの騒音の寄与度を求めることも可能になりました。
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