9.直流き電回路の高抵抗地絡検出システムの開発
  • 隣接変電所のデータから高抵抗地絡を検出するアルゴリズムを開発しました。
  • 通常時データから電流値の重み付けを行う、故障検出システム実現しました。
  •  直流1500Vのき電回路では故障点の接地抵抗が1Ω程度でも、負荷電流より小さい1500A程度の故障電流しか流れないため、現状の保護装置では故障検出は困難とされています。また、直流き電では離れた2つの変電所から同時に電車に電力を供給しますが、電車が移動することで、分担電流が変化するうえ、横流(変電所を介して隣のき電回路に流れる電流)と呼ばれる現象もあり、一つの変電所からでは電車負荷電流の状態を判別することは困難です。
     本システムでは、隣接する変電所の電車負荷電流データを通信回線により一箇所に集約し、通常時の負荷状態から線区に応じて負荷電流区分ごとに電流の重み付けを行った電流評価表による回線電流検知方法を開発しました。負荷電流はある程度の時間でゼロになるため、電流評価値の積算、リセットを繰り返します。また、故障電流は継続して流れるため、故障発生時には、リセットされず電流評価値積算値が設定値に達し、故障と判断すようにしています(図1)。実フィールドにおいて故障試験を実施し、故障電流300A程度の場合62秒で検出できることを確認しました(図2)。




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