広い範囲に鉄筋の腐食やコンクリートの剥離が生じた場合、劣化部を除去した後に吹付け補修工法を適用することが有効ですが、従来の湿式吹付け工法では最大吹付け厚さが30mm程度と小さく、付着強度や施工効率が問題となる場合がありました。
本工法(「Jot’s Crete工法」、図1)では、吹付けノズル先端でアルカリフリー液体急結剤を添加することにより、100mm程度の吹付け厚さの確保を可能としました(図2)。既設コンクリートとの付着強度については、プッシュオフ型せん断試験を行い、一体打ちの場合と同等のせん断強度が得られることを確認しました。また、トンネル覆工の補修の場合には、硫酸塩環境下における耐久性が重要になる場合がありますが、浸漬試験の結果から十分な耐久性を有することを確認しました。
本工法は「公共事業等における新技術活用システム(NETIS)」に登録され、これまでに鉄道高架橋を中心に十数件の現場で実施工されています(図3)。
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