通常のセメント改良土は、粘性土などの不良土に対する安定処理に用いられてきましたが、良質な粒度調整砕石をセメント安定処理したセメント改良礫土の場合には、強度が飛躍的に高まります。
そこで、セメント改良礫土の強度特性とセメント配合量の関係、実施工されたセメント改良礫土の品質を評価し、最適な施工方法を提案しました。この評価に基づいて、セメント改良礫土をスラブ軌道を支持する盛土の構築に用いました(図1)。施工後の計測データより目標通りの良質な盛土が構築できたことを確認し、供用開始後も沈下しないことを確認しました。
また、ジオグリッドなどの引張材を併用すると鉄筋コンクリートに近い性能が期待され、ジオグリッドを併用したセメント改良礫土の曲げ特性を評価し、軟弱地盤上の盛土構築に用いることを提案しました(図2)。模型振動実験により(図3)、この提案工法が従来工法と比較して地盤改良率を大幅に低減でき、約30〜40%のコストを削減できることを確認しました。
本成果を新土構造物設計標準(2007年1月発刊)に反映しました。
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