5.てん充系既設線省力化軌道の粘性土路盤上への適用方法
  • てん充系既設線省力化軌道下の路盤変状を防止するBLITS工法を実用化しました。
  • 補修後に再変状が発生しにくい、変状路盤の熱風乾燥工法を開発しました。
  •  てん充系既設線省力化軌道を粘性土系の路盤上に敷設すると、列車による繰返し荷重によって路盤面が軟弱化し、路盤土流出やてん充層の破壊等の変状が生じることがあります。鉄道総研では、てん充系既設線省力化軌道を新たに敷設する際に適用する簡易な路盤変状防止対策として、BLITS工法(Bentonite Liner for Track-bed Surface)を提案してきました。本工法はベントナイトライナー(ベントナイト粘土による遮水層)をてん充層と路盤の間に敷設して路盤面の軟弱化と路盤土流出を防止する簡便な工法(図1)です。本工法に対して施工の手引きを作成するとともに、最適なベントナイト系路盤安定材を開発しました。この路盤安定材は特に夜間施工を考慮して視認性を良くしており(図2)、さらに環境省制定の土壌環境基準をクリアしている環境に配慮した材料です。本工法はすでに営業線に適用されており、粘性土路盤上のてん充系既設線省力化軌道の変状発生リスク低減に寄与するものと考えられます。
     また、既に敷設されているてん充系既設線省力化軌道が路盤変状によって沈下した場合の効果的な補修工法として,再てん充の前に軟弱化した路盤面を熱風乾燥する工法(図3)を開発し、これを適用することで再てん充による補修効果が飛躍的に改善できることを実物大模型試験によって確認しました(図4)。今後は、熱風乾燥工法を短時間の間合で施工できるように、実用化を進める予定です。




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