1.燃料電池電車の開発
  • 100kW級燃料電池システムを試作しました。
  • 試験線で速度40km/h、車両試験台で速度105km/hまでの走行を行いました。
  • 燃料電池が車両の負荷変動に対応して出力を変化させられる見通しを得ました。
  •  近年、再生可能なエネルギー源として水素エネルギーが注目されています。水素エネルギー利用の有力な技術として燃料電池があり、排出物は水と使われなかった空気だけというクリーンな電源として開発が進められています。鉄道総研では燃料電池を車両駆動用電源として適用する研究開発を行っています。今回は実際に車両を駆動できる最低限度の出力である100kW級燃料電池システムの開発を行いました。この燃料電池システムは定格出力19kWのスタックを8個と、燃料電池運転に必要な機器により構成され、負荷電力に自動的に追従する機能を有するものです。また、高圧水素タンクシステム及び燃料電池の出力に対応したインバータ装置等を試作し、これらを車両に搭載することにより燃料電池電源で駆動可能な試験電車を開発しました(図1)。
     所内試験線での走行試験を行い、燃料電池の出力90kW、速度40km/hでの走行を実施しました(図2)。車両試験台試験(実車荷重負荷条件)では、出力90kWで速度105km/hまで加速可能であることを確認しました(図3)。さらに、燃料電池の出力側にチョッパ装置を接続し、出力電圧を1500Vにして速度40km/hでの走行を所内試験線で実施しました。これらの結果から、燃料電池が車両の負荷変動に対応して出力を変化させられる見通しを得ました。今後はハイブリッド化の検討を行う予定です。なお、本研究開発の一部は国土交通省補助金を受けて実施しました。




    研究・開発 > 主要な研究開発成果(2006年度) > IV 環境との調和

    HOME
    RTRI ホームページ

    Copyright(c) 2007 Railway Technical Research Institute, Tokyo Japan, All rights reserved.