1. ガス冷却が不要な超電導磁石用電流リードの開発
  • ガス冷却が不要な超電導磁石用電流リードを開発しました。
  • 常時通電型電流リードに較べて熱負荷を約60%低減することができました。
  •  浮上式鉄道用超電導磁石(SCM)に使用する電流リードは、常温空間にある外部電源とSCM内部とを電気的に結ぶもので、SCMを励磁または消磁するときの電流導入経路としての役割があります。従来、この電流リードの導体には銅を材料としたものが使われていましたが、大電流通電に伴って発生するジュール熱や、銅自身を経由してSCM内部に伝わる侵入熱への対策として、SCM内部で発生する蒸発ヘリウムガスを利用したガス冷却機構を電流リードに付帯する必要がありました(図1(a))。
     今回、低熱侵入かつ低ジュール発熱性能を有する高温超電導電流リード(HTSリード)と、常時通電型電流リードに較べて熱負荷を約60%低減させた短時間通電定格で銅製の非定常型リードを組み合わせることにより(図1(b))、ガス冷却機構の不要な新しい電流リードシステムを組み込んだSCMを開発しました(図2)。その結果、励磁や消磁の際に欠かせなかった電流リード冷却用ガスの取り扱い作業が不要となり、またSCMからガス冷却機構そのものを省略したことで、ソフト、ハードの両面でSCMのより一層の簡素化を実現しました。今後、耐振動特性や運用時の特性を把握することにより、SCMの更なる信頼性向上に取り組みます。
     なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。




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