第289回 鉄道総研月例発表会

日時 2015年05月22日(金) 13:15〜17:20
場所 大阪 毎日新聞ビル オーバルホール
主題 軌道技術に関する最近の研究開発/防災技術に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:15~13:30
軌道状態のモニタリングに関する最近の研究開発 ※1

軌道は列車の繰り返し走行や日照、降雨等によって状態が変化していくため、定期的なモニタリングが不可欠である。軌道状態を把握する代表的な装置として軌道検測車があるが、近年では検査の効率化・高品質化を目指して新しい装置・システムが開発されている。本発表では、このうち軌道変位やレール凹凸等の軌道形状および分岐器状態のモニタリングに関する鉄道総研の最近の研究開発、および海外の動向を報告する。

発表者

軌道技術研究部 部長  古川 敦

13:30~13:55
塑性域を考慮したレール締結ばねの疲労耐久性の評価 ※1

近年、国内で線ばね形レール締結装置が普及している。線ばねには、使用時に塑性変形するものがあり、弾性域での適用を前提とした従来の手法ではその疲労耐久性を十分に評価できない。そこで、塑性域で使用する線ばねの疲労耐久性の評価手法を構築することを目的として、塑性変形する線ばねに適用可能な耐久限度線図を提案し、塑性域での疲労試験結果と比較することでその妥当性を確認した。また、一例として提案した限度線を用いた疲労耐久性の評価を行った。本発表では、これらの検討結果について報告する。

発表者

軌道技術研究部 軌道構造研究室 副主任研究員  玉川 新悟

13:55~14:20
細粒土混入率が高いバラスト軌道における補修方法の開発 ※1

長期間にわたって道床交換が行われていないバラスト軌道は、細粒土混入率が高く、タイタンパ等でのつき固め補修ではすぐに軌道沈下が再発してしまい、補修効果が持続しない。そこで、バラストの細粒土混入率が高い箇所において、道床交換を行わずに補修効果の持続が期待できる補修方法として,生分解性ポリマーを用いたポリマー安定処理工法を開発した。本報告では、実物大模型試験および現地試験施工により、本工法の補修効果について検討したので紹介する。

発表者

軌道技術研究部 軌道・路盤研究室 副主任研究員  中村 貴久

14:20~14:45
固有振動によるレール軸力測定手法 ※1

ロングレールに作用する軸力は夏季の張り出し、冬季のレール破断に繋がる可能性があるため、適切に管理しなければならないが、軸力の測定は難しく、レールの温度と伸縮量により間接的に管理しているのが現状である。これまでにロングレールの軸力を定量的かつ簡易に測定する手法として、固有振動による測定法が検討されてきたが、十分な測定精度が得られていない。本研究では、固有振動による軸力測定精度の向上のため、軌道の有限要素解析により測定精度に影響する因子を抽出し、誤差の補正方法を検討した。また、実軌道にて本手法による軸力測定を実施し、その有効性を検証したので紹介する。

発表者

鉄道力学研究部 軌道力学研究室 副主任研究員  浦川 文寛

14:45~15:10
複数台の保守用車の効率的な運用を考慮した軌道保守計画モデル ※1

これまでに、軌道変位やレール凹凸の推移を予測し、マルタイ(MTT),レール削正車の運用を考慮した保守計画の作成モデルを構築した。しかしながら、本モデルでは1台のMTT等の運用を考慮して保守計画を作成する場合を想定しており、複数台のMTT等を複数保線区で共用し広域に運用するような場合には適用できなかった。そこで、複数台のMTT等の運用を考慮した保守計画モデルを構築し、また本モデルを発展させて、道床交換用の保守用車の運用計画モデルも構築した。本発表では、モデルの概要と試算による検証結果を報告する。

発表者

軌道技術研究部 軌道管理研究室 室長  三和 雅史

15:10~15:25
休 憩

15:25~15:35
気象災害に対する安全性向上の成果概要と今後の取り組み ※2

鉄道総研ではプロジェクト型課題として「気象災害に対する安全性向上」について取り組んできたので、その成果全体について外力、耐力、危険度評価およびハザードマッピングの相互の関係を中心に概要を紹介する。また、平成27年度から取り組む「鉄道の減災技術の高度化」、特に局所的短時間強雨に対する減災技術の開発について、その必要性と方針を紹介する。

発表者

防災技術研究部 部長  太田 岳洋

15:35~15:55
数値シミュレーションを用いた面的な気象情報の取得方法 ※2

鉄道沿線に設置されている風速計や雨量計から得られる気象データは「点」のデータである。しかしながら、鉄道の気象災害がこれら観測機器の設置箇所やその付近で発生するとは限らない。また、河川の増水など線路から離れた箇所の雨量が多いために生じる災害もある。そこで、鉄道の気象災害をもたらすような強風や大雨について、風速計や雨量計のデータを補間し鉄道防災に必要な時間・空間スケールでの面的な気象情報を得るためのツールの構築を行った。本発表では、この方法の概要について紹介する。

発表者

防災技術研究部 気象防災研究室 副主任研究員  福原 隆彰

15:55~16:15
地形情報を用いた斜面の降雨時危険性の評価手法 ※2

鉄道沿線では、降雨により切土や自然斜面表層の崩壊、土石流、盛土崩壊など様々な斜面崩壊が発生することがある。こうした斜面崩壊には斜面表層や表層土内における水の移動現象に大きく依存する。そこで、地形情報を用いて鉄道沿線の比較的広範囲の斜面における三次元的な地形の起伏を考慮し、簡易な計算方法により斜面における水の移動現象を予測したうえで斜面の危険性を評価する方法を構築した。本発表では、この方法の概要について紹介する。

発表者

防災技術研究部 地盤防災研究室 主任研究員  布川 修

16:15~16:35
災害ハザードマッピング技術の開発 ※2

鉄道沿線での気象災害等(土砂災害、強風災害、雪崩災害、落石災害)を対象としたハザードマッピング技術を開発した。本手法によって異なる気象災害等に関する素因、外力、危険度を同一のプラットフォーム上で統一的に表示することが可能となり、防災計画策定に資することが期待される。本発表では、本手法に用いるデータおよび入出力データ間の関係、危険度評価方法の概要、表示例について紹介する。

発表者

防災技術研究部 地質研究室 副主任研究員  浦越 拓野

16:35~16:55
早期地震警報のための地震諸元推定とノイズ識別の性能向上 ※2

地震発生時において、検知した地震の位置と規模を早く正しく推定することを目的として、鉄道の地震防災システムなどに導入されている地震諸元推定アルゴリズムの改良を行った。また、鉄道沿線に設置される地震計に関し、列車走行に伴う振動により不要な地震諸元推定を行うことが無いように、それらの識別性能を高めるアルゴリズムを検討した。本発表では、新しく開発した手法は地震諸元推定において従来よりも精度が高く即時性に優れ、列車振動の識別性能も優位であることが確認されたので紹介する。

発表者

鉄道地震工学研究センター 地震解析研究室 主任研究員  岩田 直泰


司会:及川 祐也 (軌道技術研究部 軌道構造研究室 主任研究員)
   川越 健 (防災技術研究部 地質研究室 室長)

都合により、プログラムを変更することがあります。

※1 第287回月例発表会(3月18日東京開催)と同じ内容の発表です。
※2 第288回月例発表会(4月15日東京開催)と同じ内容の発表です。

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