基本計画「RESEARCH 2020 -革新的な技術の創出を目指して-」

基本方針

 鉄道総研は新たに将来の方向性を示すビジョン「RISING」を設定し、それを具現していくために使命と戦略を定めました。基本計画は、ビジョンを具現するための戦略を具体化した中期の実行計画にあたります。

 鉄道総研は、平成27 年度から平成31 年度までの5年間の基本計画「RESEARCH 2020 -革新的な技術の創出を目指して-」を策定いたしました。RESEARCH 2020 の基本方針は以下のとおりです。

1.鉄道のイノベーションを目指すダイナミックな研究開発の実施

 時代の変化や社会の多様なニーズに対応し、革新的な技術の研究開発を迅速に行う。シミュレーション技術の高度化や情報ネットワーク技術の活用などの先端的な研究開発及び新しい分野の研究開発にリソースを増強しつつ、強力に推進する。また、革新的な技術の源泉となる基礎研究を着実に実施する。

2.総合力を発揮した高い品質の研究成果の創出

 鉄道が抱える諸課題の解決や革新的な技術の開発にあたり、ノウハウの蓄積や人材育成を徹底して行うとともに、さまざまな技術分野の研究者の力を結集させる。併せて、独創的な研究設備を新設、更新する。これらにより、高い品質の成果を創出し国内外へ広く提供する。

3.技術的良識に基づく信頼される活動

 鉄道全般に及ぶ深い知見を蓄積し、独立した第三者機関のスペシャリスト集団として、技術的良識に基づき、事故・災害の原因究明や対策提案、技術基準作成などの活動を行う。

4.鉄道の海外展開への支援と国際的プレゼンスの向上

 世界の鉄道技術をリードするために、日本の鉄道技術の海外への展開を効果的に支援するとともに、海外の鉄道事業者や研究機関などとの緊密な関係の構築による情報の発信や、日本からの国際規格の積極的な提案などを通じて国際的なプレゼンスを向上させる。

5.生きがいを持てる働きやすい環境作り

 研究者が自由な発想により研究能力を十分に発揮でき、達成感が得られる成果を生み出せる環境を整備する。また、年齢、性別、文化の違いなどの多様性を尊重し、自由闊達な議論ができる働きやすい風土を醸成する。

研究開発

 鉄道総研の重要な事業活動である研究開発については、大規模自然災害に対する強靭化や脱線対策をはじめとする安全性の向上、メンテナンスなどの低コスト化、エネルギー利用の効率化などによる環境との調和、更なる高速化などによる利便性の向上に取り組み、鉄道が抱える諸問題を解決して鉄道の発展に貢献する革新的な技術を創出します。これらを鉄道総研が目指す、以下の4つの「研究開発の方向」とします。

  • 1.安全性の向上
  • 2.低コスト化
  • 3.環境との調和
  • 4.利便性の向上

 研究開発を推進するにあたり、高度シミュレーションや情報ネットワークなどの先端的な技術分野、安全、エネルギー、高速化などにおける特長ある技術分野及び新しい分野に積極的に参入します。

 さらに、鉄道のイノベーションを目指す分野の研究開発活動に直結した、以下のような独創的な試験設備を新設・更新していきます。

  • パンタグラフ総合試験装置
  • 空力現象解明用模型試験装置
  • 台車・輪軸載荷試験装置
  • 大型低騒音風洞の更新

 また、リソースをバランスよく配分し、効果的に研究開発を進めるため、以下の3つを「研究開発の柱」とします。

  • 研究開発の方向と柱
    研究開発の方向と柱

1.鉄道の将来に向けた研究開発

 おおむね、10数年先の実用化を念頭に置いた研究開発で、平成27 年度からは、4つの大課題、「鉄道システムの更なる安全性の追求」、「情報ネットワークによる鉄道システムの革新」、「新幹線の速度向上」、「鉄道シミュレータの構築」を実施します。

  • 鉄道の将来に向けた研究開発
    鉄道の将来に向けた研究開発

2.実用的な技術開発

 実用的な成果を適時、的確に提供するため、鉄道事業に即効性のある技術開発を実施します。

3.鉄道の基礎研究

 革新的な技術の源泉及び鉄道の諸問題解決のための研究開発で、「災害現象の予測・検知・対策」、「列車走行現象の解明」、「劣化損傷メカニズム」、「沿線環境・地球環境の改善」、「ヒューマンファクターによる安全性向上」の5項目を重点的に実施します。

鉄道総研の国際活動

 国際的な活動としては、海外との共同研究、職員派遣や研究者受入を促進するとともに、鉄道事業者の海外展開への積極的な支援、知的財産の海外展開、海外の技術者への指導等により日本の鉄道技術の普及に貢献します。また、平成31 年度に予定している世界鉄道研究会議(WCRR)の東京開催の準備・運営を着実に進めます。

 さらに、鉄道国際規格センターを設置し、“国際標準化の戦略的検討”、“国際規格の審議”、“国際規格情報の収集と発信”を活動の柱の中心に、広く鉄道に関する国際規格の審議について一元的に対応しています。