第296回 鉄道総研月例発表会

日時 2016年01月20日(水) 13:30〜16:55
場所 ベルサール神保町 3F Room 3+4+5
主題 新材料に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:45
鉄道分野における新材料に関する最近の研究開発

鉄道を支える構造物、軌道、電力などの施設やその上を走行する車両の機能向上、長寿命化、保守軽減のためには、設計・施工技術に加えて、使用されている部材の性能向上や劣化現象解明の研究開発が必要である。さらに近年、エコマテリアルやナノマテリアルなどの新たな材料の概念が知られるようになり、それらの導入も研究開発の大きい部分を占める。本発表では、これらの背景を踏まえて進められている、部材の性能向上のための材料開発、新材料の導入研究に関する鉄道総研の取り組み事例と最近の成果を紹介する。

発表者

材料技術研究部 部長  曽根 康友

13:45~14:35
【特別講演】構造ヘルスモニタリング技術の進展
—航空機用複合材構造への適用と知的ものづくり科学の構築—

炭素繊維強化プラスチック基複合材料(以下CFRP)は、最近の民間航空機構造に広く適用されてきており、設計・成形・製造研究開発の技術力という視点からは、日本が国際的にも優位性のある分野であるが、国際的な競争は激しい。このような状況の中で、運用中に発生する損傷の種類、位置、サイズを同定し、構造健全性を地上点検時、あるいはリアルタイムで自己検知・診断、を行う、構造ヘルスモニタリング(SHM)システム構築の重要性が認識されてきた。本講演では、光ファイバセンサを利用したSHM技術を複合材構造に適用する研究開発を中心に述べる。

発表者

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 副学長 教授  武田 展雄

14:35~15:00
高潤滑性アルミ複層すり板材の試作と特性評価

パンタグラフ舟体の端に付けられる補助すり板はトロリ線と摩擦する頻度が低いことから、耐摩耗性よりも軽量性が重視され、主にアルミニウム合金が使われている。しかし補助すり板には潤滑性がないため、補助すり板と接する分岐箇所のトロリ線摩耗率は高く、補助すり板と主すり板との境界部で局部摩耗が発生することもある。そこで、アルミ補助すり板自体に潤滑性を付与し、トロリ線や補助すり板の摩耗を低減することを目的にアルミニウム合金や炭素繊維から成る複層複合材料を試作した。本報告では、試作材の摩擦・摩耗特性の評価結果と、試作材のすり板への適用可能性について報告する。

発表者

材料技術研究部 摩擦材料研究室 副主任研究員  久保田 喜雄

15:00~15:15
休 憩

15:15~15:40
ナノカーボンを適用した転がり軸受用導電性グリースの電食防止性能評価

転がり軸受の電食は軸受内を流れる電流に起因する表面損傷であり、電食対策として軸受絶縁と軸受通電の2つの考え方がある。本研究では、鉄道車両においてはこれまでに取り組まれていなかった軸受通電の考え方に基づいて、導電性グリースによる電食防止対策を検討した。導電性に優れたナノカーボンを分散させた数種類の導電性グリースについて、小型軸受通電回転試験を実施し、それらの電食防止性能を評価した結果を報告する。

発表者

材料技術研究部 潤滑材料研究室 副主任研究員  鈴村 淳一

15:40~16:05
圧電ゴムの開発と鉄道への応用

圧電材料は、電気エネルギーと機械エネルギーを相互に変換できる性能があり、センサ等として利用されている。一方、一般的な圧電材料である圧電セラミックスは、硬く脆いため、適用箇所が制限されるという課題がある。そこで、柔軟で割れ難い圧電材料として、ゴム材と圧電セラミックス粒子を混合した圧電ゴムを開発した。その上で、開発した圧電ゴムを鉄道分野においてセンサとして適用する取組みについて報告する。

発表者

材料技術研究部 防振材料研究室 副主任研究員  間々田 祥吾

16:05~16:30
セメントを用いない低炭素型新材料であるジオポリマーの開発

ジオポリマーはフライアッシュなどの産業副産物を利用し、セメントを用いないためCO2削減効果に優れる次世代材料である。それは、既存のセメント硬化体とは異なる特徴を有していることから、その特長を活かして、各種まくらぎ、外壁材、アルカリシリカ反応抑制材等を試作した。本発表では、それら試作したものを紹介・解説し、実用化に向けた課題などを報告する。

発表者

材料技術研究部 コンクリート材料研究室 室長  上原 元樹

16:30~16:55
高温超電導材料の研究開発

超電導リニアで使用されている超電導磁石のコイルは、NbTi合金が用いられており、この物質は超電導状態となる温度が極低温である。鉄道総研では、新たな応用領域での展開を目指し、液体窒素温度で超電導状態となる高温超電導材料の開発に取り組んでいる。この新材料は、小型の超電導磁石や超電導き電ケーブルなどに応用されようとしている。
本発表では、高温超電導材料の製作に関する技術と、その特性評価結果について報告する。さらに、金属系の新しい材料であるMgB2についても研究状況を報告する。

発表者

料技術研究部 超電導応用研究室 室長  富田 優


司会:伊藤 幹彌 (材料技術研究部 防振材料研究室 室長)

都合により、プログラムを変更することがあります。

一覧に戻る
PAGE TOP