第309回 鉄道総研月例発表会

日時 2017年04月17日(月) 13:30〜16:55
場所 日本工業倶楽部 大会堂
主題 環境工学に関する最近の研究開発

プログラムと発表概要

13:30~13:45
環境工学に関する最近の研究開発

鉄道はエネルギー効率の高い、地球環境に優しい交通機関であるが、その一方で、鉄道車両の走行に伴って生じる騒音、地盤振動、トンネル微気圧波などは、沿線に環境問題を引き起こす場合がある。列車の速度向上、輸送力の増強に際しては、環境に対する負荷を小さくし、環境に優しい快適な鉄道の実現をはかることが重要である。ここでは、これらの課題に対する鉄道総研における最近の取り組みを紹介する。

発表者

環境工学研究部 部長  長倉 清

13:45~14:10
スラブ軌道トンネル内バラスト敷設の微気圧波低減効果

微気圧波低減対策は緩衝工など列車のトンネル突入段階の対策が主に実施されてきたが、今後の新幹線速度向上のためさらなる対策が求められている。そこで圧縮波がトンネル内伝播段階での対策としてバラスト敷設の効果を現地測定で調べるとともに、その結果を模擬する数値解析方法を検討した。さらに実トンネルを想定した数値解析により、バラスト敷設により必要なトンネル緩衝工長を短くできることがわかったのでその結果を紹介する。

発表者

環境工学研究部 熱・空気流動研究室 主任研究員(上級)  福田 傑

14:10~14:35
高速走行する新幹線における低周波空力音の特性

高速走行する新幹線から放射される騒音は、空力音、転動音、構造物音、機器音などで構成されている。中でも空力音は列車速度の6乗に比例してパワーが増大する高い速度依存性をもつため、さらなる低減が求められている。本研究では、現象解明の十分に進められていない100Hz以下の低周波域を対象に、音源探査を目的とした現地測定および列車模型の発射試験を実施した。その結果、台車部や車間部周辺が音源となることを示したので報告する。

発表者

環境工学研究部 騒音解析研究室 副主任研究員  宇田 東樹

14:35~15:00
切取区間における新幹線沿線騒音の予測手法

新幹線沿線騒音は沿線環境における問題の一つであり、その対策において騒音予測は重要な役割を担っているため、様々な沿線条件に対応する必要がある。そこで、これまでに切取区間における騒音測定や縮尺模型試験を通して、騒音伝搬に関する検討や騒音予測モデルの構築に取り組んできた。本発表では、これらの取り組みと、その予測モデルを用いて切取条件が沿線騒音分布に与える影響の検討を行ったので紹介する。

発表者

環境工学研究部 騒音解析研究室 主任研究員  小方 幸恵

15:00~15:15
休 憩

15:15~15:40
車輪踏面状態が構造物騒音へ与える影響と踏面状態の検出手法

車輪踏面の状態により、構造物騒音が増加する場合がある。本発表では、車輪周長に沿って比較的長い距離で車輪踏面が偏って凹む偏摩耗に着目し、車輪踏面の形状と構造物騒音・振動の特性や関係性を評価した結果を紹介する。また、偏摩耗の程度を構造物振動から検出する手法を構築するため、計算モデルによる検討やレール・構造物間の振動伝達特性を考慮した適切な測定場所の検討を行った。本検出手法の概要と検出結果についても紹介する。

発表者

環境工学研究部 主任研究員  末木 健之

15:40~16:05
強風時の車両に対する高欄等による遮風効果

充実率が100%の高欄、防音壁、下路桁など(以下、高欄等)は遮風を目的とした設備ではないものの、ある程度の高さと離隔(高欄等と車両の距離)を有するものについては遮風効果が期待できると考えられる。そこで、遮風効果を確認するため風洞試験を実施し、防風柵(充実率60%)と同等の効果を持つ条件を整理した。本発表では、風洞試験による車両に対する高欄等の遮風効果をまとめたので、それらの結果を報告する。

発表者

環境工学研究部 車両空力特性研究室 副主任研究員  乙部 達志

16:05~16:30
横風風洞試験を再現する空力特性シミュレーション

横風に対する鉄道車両の空力特性評価は風洞試験により行われているが、風洞試験だけで必要な条件すべてを確認することは困難になることがある。そこで、横風風洞試験を再現できる流れの数値シミュレーション法を開発した。開発したシミュレーションを用いて高架橋上および築堤上の車両を対象に計算したところ、横力係数について、計算結果と風洞試験結果は概ね一致することが確認できた。本発表では、開発した横風空力特性シミュレーションについて紹介する。

発表者

鉄道力学研究部 計算力学研究室 主任研究員  中出 孝次

16:30~16:55
トンネル火災時の熱気流の流動予測

一般の山岳トンネルには換気設備がなく、火災車両が停止した場合における適切な避難誘導方法の確立が求められている。避難における一番の阻害要因は熱気流であることから、我々はトンネル内火災時の熱気流予測手法の開発を行っている。数値計算によるシミュレーション結果は、約10分の1スケールの矩形断面トンネル模型実験装置による温度測定結果と概ね一致した。本発表では、それらの比較を紹介する。

発表者

環境工学研究部 熱・空気流動研究室 研究員  山内 雄記


司会:根津 一嘉(電力技術研究部 集電管理研究室 室長)

都合により、プログラムを変更することがあります。

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