第29回 鉄道総研講演会

持続可能な鉄道を支えるメンテナンス技術
ー認知と予測ー

日時:2016年11月9日(水) 10:00〜16:35
場所:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階)
主催:公益財団法人鉄道総合技術研究所
※入場無料 受付は9:20から開始いたします。

ごあいさつ

公益財団法人鉄道総合技術研究所では、社会および鉄道の持続的発展に寄与すべく、鉄道の安全性・信頼性、環境との調和、快適性・利便性、経済性の向上に向けた研究開発と情報発信を続けております。これらの活動は、国土交通省、JR各社をはじめとする鉄道事業者、ならびに多くの関係者の皆さま方からのご支援・ご協力に支えられているものであり、深く感謝申し上げます。

さて、鉄道においては、高い安全性を維持するために、車両や構造物など、複雑かつ膨大な設備のメンテナンスに多くのリソースが投入されてきました。これからは、メンテナンスコストの低減を実現しつつ、安全性・安定性を確保し、さらに快適性の向上をはかるなど、新たな価値を創造するメンテナンス戦略が求められています。

そこで鉄道総研講演会では、このような社会的要求を受け、「持続可能な鉄道を支えるメンテナンス技術-認知と予測-」をテーマに開催いたします。まず東京大学生産技術研究所教授喜連川優先生から「ビッグデータによる万物のヘルス」と題した特別講演を頂くとともに、持続可能な鉄道を支えるさまざまなメンテナンス技術に焦点を当て、IoTやビッグデータの活用、時間基準保全から状態基準保全への転換、認知・予測技術等について鉄道総研の研究開発の取り組みを技術分野ごとにご紹介させて頂きます。多数の皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

会長 正田 英介
理事長 熊谷 則道

プログラムと講演概要

10:00~10:10 開会の挨拶

会長  正田 英介


10:10~11:10 特別講演 ビッグデータによる万物のヘルス

東京大学生産技術研究所教授/国立情報学研究所所長  喜連川 優

米国によりビッグデータが2012年に提唱されて以来、多様な分野でその有効性が徐々に確認されつつある。2004年が「情報爆発」の起源である我が国において、ビッグデータの経験は世界に比して遅れていることはない。人間の身体のヘルスに留まらず、鉄道を含め、多様なインフラや機器を正常維持することをequipment healthと呼び、ビッグデータが活用される。地球を対象とするearth healthも重要なテーマと言える。多様なビッグデータの利用の一端を紹介する。

(講演要旨なし)


11:10~11:50 基調講演 ICTの活用による鉄道メンテナンス技術の革新

研究開発推進部長  久保 俊一

鉄道においては、高い安全性を維持するために車両、構造物、軌道、電力、信号等の設備のメンテナンスに多くのリソースが投入されるとともにその研究開発が進められてきた。これからは、安全性・安定性を確保しつつ、メンテナンスコストの低減を実現し、さらに快適性の向上をはかるなど、新たな価値を創造するメンテナンス戦略の追求が求められている。そこで、鉄道を支える様々な分野のメンテナンス技術に焦点を当て、IoTやビッグデータ等の新たなICTの活用、時間基準保全から状態基準保全への転換に向けたセンシング・モニタリングによる認知・診断技術、シミュレーションを活用した予測技術等の研究開発の取り組みと今後の展望を紹介する。


13:10~13:45 鉄道構造物の劣化予測とメンテナンス技術の革新

研究開発推進部 主管研究員  佐藤 勉

安全で安定した鉄道輸送を提供するため、多数の構造物のメンテナンスを継続的かつ的確に実施することが求められている。また、建設後長期間経過した構造物が増加していることを考慮すると、予防保全に基づくメンテナンスの重要性はますます高くなるとともに、メンテナンスの効率化への期待も大きい。そこで、最近の構造物メンテナンス技術として、劣化や変状の予測技術、状態監視や診断技術とその利用方法、構造物の長寿命化や高度利用を図るための低コストなリニューアル技術について紹介する。さらに、検査画像の取得や記録方法、データベースの活用など、今後の構造物メンテナンスの研究開発について展望する。


13:45~14:20 状態基準メンテナンスの高度化による軌道保守の革新

軌道技術研究部長  村本 勝己

省力化と信頼性の両立を目指して、軌道の高度な状態基準メンテナンスの実現が期待されている。慣性正矢軌道検測装置の実用化によって営業列車による高頻度な軌道検測が可能となり、その環境が整いつつある。そこで、高頻度軌道検測によって得られる大規模データから軌道状態の変化を迅速に診断・予測し、効率的な保守計画を策定できる「高頻度軌道検測対応軌道保守計画システム」について紹介する。さらに、レール波状摩耗(レールの微細な凹凸)を正確に測定する技術や軌道の支持剛性を簡易に評価する技術など、状態基準メンテナンスの高度化に寄与する、各種軌道状態の診断技術の開発状況について紹介し、これらの診断技術によってもたらされる軌道保守の革新について展望する。


14:20~14:55 早期検知と予測技術による鉄道車両メンテナンスの高度化

車両制御技術研究部長  山本 貴光

最近の鉄道車両の信頼性・耐久性の向上により、安全・安定輸送を確保しつつ、検査周期の延伸が図られている。また、これまでの走行距離または経過時間に基づく定期検査によるメンテナンスに加え、IoTの技術などを取り入れた新たな状態監視技術に基づくメンテナンスが導入されつつある。そこで、鉄道車両の故障・異常の早期検知と予測を可能とする技術として、センシング・モニタリング技術、劣化評価技術・非破壊検査技術の高度化、取得した大容量データの解析技術などについての最新の研究開発成果を紹介し、今後の鉄道車両のメンテナンス技術について展望する。


15:15~15:50 鉄道電力設備のメンテナンスと劣化予測

研究開発推進部 主管研究員  網干 光雄

電力設備は、電気車などに安全で安定して電力を供給することが求められている。そのため、これまでにも検査・診断技術や部材の長寿命化、省メンテナンス設備、異常検知、保護装置などのさまざまな技術や対策が導入されてきているが、振動・摩耗、腐食などによる劣化や接触不良などに対して、適切なメンテナンス手法の確立が求められている。そこで、電力設備のメンテナンスの課題と最近の研究成果を紹介するとともに、鉄道総研で進めているシミュレーション技術と画像計測技術などを組み合わせた電車線路設備の劣化予測技術を紹介する。さらに、これらの活用方法や状態監視技術の動向を含めて、今後の電力設備のメンテナンスについて展望する。


15:50~16:25 鉄道メンテナンスの革新を支える情報・ネットワーク技術

信号・情報技術研究部長  平栗 滋人

近年のセンシング技術、ネットワーク技術、およびデータ分析技術の発達により、多様な設備状態データの収集、分析が可能になってきている。また、データ分析に基づいた状態予測も実現しつつあり、障害に至る前に、必要な箇所に必要なタイミングで対策を講ずる効率的なメンテナンスの実現が期待される。そこで、情報技術を活用した設備状態の認知、これに基づいたメンテナンスに関する技術動向、およびデータ活用による状態予測に関する最近の研究成果を紹介する。さらに、IoT・M2M通信、ネットワーク技術などによる、鉄道の各分野での状態の認知・予測を効率的に実現する共通基盤構築に向けた取り組みと、将来の活用について展望する。


16:25~16:35 閉会の挨拶

理事長  熊谷 則道


司会 理事  奥村 文直

会場

有楽町朝日ホール
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F
電話:03-3284-0131 FAX:03-3213-4386

お申込み

お申込み受付は終了しました。

お問い合わせ

公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道総研講演会事務局
TEL:(NTT)042-573-5438 (JR)053-7384

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