電力技術研究部

Power Supply Technology Division

電力技術研究部の概要

鉄道部門における電力技術は、電気車に高品質な電力を提供するための技術であり、変電所における電力変換、き電回路、電車線構造、電車線材料およびこれらの計測・保全に関する研究開発が、その主なものです。

電力技術研究部では、これらの研究開発に対処するために、き電・集電管理・電車線構造の3グループでの研究開発体制のもと、21世紀に対応した新しい鉄道電力システムについて、鋭意研究開発を進めています。

電力技術研究部の紹介

電気車(電車や電気機関車)が必要とする電気エネルギーは、電力会社などの送電線から鉄道用変電所へ送られ、ここで電気車の運転に適した電圧へと変換されたうえで電車線路を経て電気車へ供給され、最後はレールから変電所へと戻されます。移動する電気車に対して、いかにして安定した電力を供給するか、これが電力技術研究部の使命です。
また、高速でしゅう動しながら電力をやり取りする電車線とパンタグラフは鉄道固有の重要な技術です。さらなる高速化への対応に加え、電車線設備を少ない人数で適切に維持・管理するためのメンテナンス手法を提案することも、重要な課題です。
最近では、鉄道の低炭素化を目指し、複数の電気車と地上設備とを協調制御して省エネルギー化を進める技術や、再生可能エネルギーを鉄道において積極的に活用するための技術などの開発にも取り組んでいます。

電力技術研究部長 重枝秀紀

研究室と担当分野

き電研究室

鉄道システムに電力を安定供給するための様々な課題(電力品質の向上、故障検出、絶縁協調など)に加え、省エネ化や再エネ活用など鉄道の低炭素化に向けた課題に関する研究開発

集電管理研究室

電車線設備の劣化・損傷メカニズムの解明と、これに基づく設備改良方策・設備診断手法の提案、ならびに設備診断に必要な測定システムの開発などに関する研究開発

電車線構造研究室

電車線の高速化、保守性向上、耐震性向上のための新しい電車線構造の開発や設計手法の提案、電車線とパンタグラフの接触性能評価手法の提案、などに関する研究開発