乗務員被害を考慮した先頭車両の安全性評価手法

踏切事故時において、乗務員の傷害度を考慮して先頭車両の衝突安全性が評価できる手法を構築しました。

車両の衝突安全性を評価する際に、標準とする衝突条件がないこと、乗客・乗務員の被害を直接評価できないことが課題になっています。そこで、近年の踏切重大事故を調査し、特に重要な項目と考えられる衝突速度と衝突対象物について統計的調査を実施し(図1)、踏切における典型的な衝突条件(22トンの積み荷を積載した大型トレーラに速度54km/hで衝突する等)を設定しました。次に、乗務員室の内部骨組や運転台を含む先頭車FEMモデルに乗務員を模擬した人体ダミーモデルを組み込むことにより、衝突事故時の車体変形状況と乗務員の挙動を同時に評価できる手法を構築しました(図2)。これにより、乗務員の傷害度を考慮して先頭車両の衝突安全性を評価することができるようになりました。本手法の解析精度を確認するために、過去に発生した事故事例に対応した衝突条件で解析した結果、車体の変形量および乗務員の傷害状況が高い精度で再現できました。

図1 踏切重大事故の統計的調査
図2 車体変形と乗務員の傷害度を評価可能なFEMモデル

設定した典型的な衝突条件で、車両構体や運転台構造を変化させて解析しました(図3)。これにより、乗務員室の衝突安全性向上には頭部・胸部の衝撃緩和対策と対策箇所への誘導、膝の衝撃緩和対策と脚部挟まれ防止が効果的であることがわかりました。

図3 踏切における典型的な衝突条件での解析例

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参考文献

  1. 沖野友洋、山本勝太、高野純一、宇治田寧:列車乗務員の傷害度を指標とした踏切事故時の車両の衝突安全性評価、日本機械学会第19回鉄道技術連合シンポジウム講演論文集、pp.557-560、2012
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