ロックボルト付着力の評価方法

山岳トンネルでは、完成後に地圧による変状が生じる場合があり、その場合の対策として地山にロックボルトが打設されます。ロックボルトの設計にあたっては、地山とロックボルト定着材との間の周面摩擦抵抗力（ロックボルト付着力）を適切に評価することが重要です。しかし、ロックボルト付着力を原位置試験で評価する方法には施工上の課題がありました。そこで、室内試験によってロックボルト付着力を評価する方法を考案しました。この方法では、ボーリングコアから作製した岩石試料の周囲にモルタルを打設した後、モルタルから岩石試料を押し抜く試験を実施し、試験時の荷重と岩石試料の周面積からロックボルト付着力を算出します。この方法で得られたロックボルト付着力は原位置試験で得られた値と同程度であることから、この試験方法は妥当であると考えられます。